KIKO
ほめてあげてくださいね
ほめてあげることでお子さんは頑張れますし、伸びていきますよ
…と、お母さん方におはなしさせていただくと、
ママ
ママ
と、おっしゃるお母さんがいます。
たくさんいます。
一日中怒られるようなことばかりして、ほめられるようなことはしない、
そう感じることもありますよね。
また、あたりまえのことをしてるのに、いちいちほめるの?
とか、「えらいね」「すごいね」くらいしかほめることばが浮かんでこない、ワンパターンになっちゃう
など子どもをほめるのって難しいと感じることもあると思います。
今回は子どもをほめることで期待できる効果と、どんな場面でどのようにほめてあげるとよいのかお伝えしていきます。
ちょっとしたコツでお子さんが変わっていくことを実感できると思いますよ!
「ほめて育てる」ことの違和感を解決
「ほめて育てる」ことに違和感?
子どもをほめるのってむずかしい、苦手、と感じているお母さんの中に、そもそも「子どもをほめて育てる」こと自体に納得できていない方がいます。
子どもの行動やことばに対して「よし。いいぞ。ほめてやる。」って、親ってそんなにえらいの?何様なの?わたし…
あたりまえのことをしてるのにいちいちほめていたら、子どもがかんちがいしちゃいそう。
「ママ、ぼくこれしてるよ、見て!えらいでしょ。」みたいなアピールにたえられないよ。
甘やかしちゃダメだと思う。きびしくいってきかせた方がいいと思う。
心のどこかにそんな気持ちがありませんか?
「ほめて育てる」ということばに、どこか子どもを上からみているイメージを感じる方もいるのではないでしょうか。
自分だって正しいのかどうなのか迷うこともあるし、わかっていてもできないこともある。それなのに、自分の価値観で子どものすることを良いか悪いか決めてほめたり叱ったりしながら子どもをコントロールしていいのだろうか、
そんな不安を感じることもあるかもしれません。
また、「ほめて育てる」ということに、子どもを持ち上げていい気分にさせたり子どもの機嫌をとっているような印象を持っていて、子どもが調子にのってしまうのではないか、子どものすることを何でもゆるして甘やかすことになるのではないか、そんな風に感じる方もいるかもしれません。
「ほめて育てる」ことが大切とみんな言うけれど、ことばが独り歩きしてしまっているのかもしれませんね。
あなたはほめられてきましたか?
「私、母にほめられたことがほとんどないんです」
こう話す方は本当に多いです。
みなさん話された後、さみしそうな表情を浮かべます。
今までかかわってきたお母さん方や、職場で出会った同僚の中にもいました。そして、私自身もそう感じているひとりです。
不思議ですよね。大人になっても私たちは「ほめられたかった」と思っているのです。
ん?「ほめられたかった」のかな?
- 母はなんでもよくできる兄が自慢で私をほめてくれたことなんてなかった
- がんばった結果も「そのくらいあたりまえ」といつも言った
- 良い成績を残しても、別にほめてくれず私に関心がなかった
- きびしい人だった 怒られてばかりだった
- 忙しかったんだと思う 自分のことで精いっぱいって感じ
このようなお話をよくうかがいますが、
「ほめられなかった」人たちは「ほめられたかった」というよりも
- そのままの自分を受け止めてほしかった
- がんばったことを認めてほしかった
- 関心をもってほしかった
- 優しくされたかった
- 見ていてほしかった
- 自分をわかってほしかった
のだと思います。
「ほめられなかった」人たちの中には自己評価が低かったり、自分に自信が持てなかったり、ちょっぴりひくつだったり、ずっと消えないさみしい思いを抱えてしまうこともあるのが事実です。
「ほめて育てる」目的とは?
「ほめて育てる」というのは子どもを監視、管理して良い悪いの判断を下すことではありません。
子どもの機嫌をとったり、甘やかすことでもありません。
「子どもをほめること」の中には
「子どもをまるごと受け止めること」
「子どもを認めること」
「子どもに関心を持つこと」
「子どもに優しくすること」
「子どもに注目すること」
「子どもに共感すること」
などが含まれています。
お母さんや、まわりの大人に
ほめられ、受け止めてもらい、注目され、関心を持ってもらい、認められ、優しくされ、共感されて育つ子どもは、
安心して日々を過ごし、自分に自信をもって何事にもチャレンジすることができるはずです。
もし、失敗することがあってもがんばったことを認めてくれる人がいるなら、きっとまたがんばれるでしょう。
「ほめて育てる」ことというのは、そんな子どもを育て上げる子育ての大きな目標のひとつでもあるのです。
ほめられる効果
ほめられるとどうなる?
人は、ほめられると
認められた、わかってもらえたと、欲求が満たされていい気分になります。
この「いい気分」は、ずっと記憶にのこり、次の同じ場面で「またやってみようかな」という動機付けになります。
お子さんに、過去にほめられた経験があってこそ「ほめて育てる」ことは効果を発揮するのです。
そして、この「いい気分」は、ほめことばだけでなく頭をなでられることや、ハグ、にっこりと笑いかけられることでも呼び起こされるようです。ほめられた経験が、自分はほめてもらえる子なんだという自信になっているのかな、と感じます。
叱られるとどうなる?
危険な場面、約束、ルールを破ってしまったとき、他人を傷つけてしまったときなど、強くはっきりと止めること、いけないことだと伝えるために、お子さんを叱ることも必要かと思います。
お子さんはびっくりしたり、表情や声の調子を怖いと感じて行動がストップしたり泣いてしまうかもしれません。
叱ることの一番の効果は、いけないことをすぐに止めることができる、
ということではないでしょうか。
でも、ほめられたときの「いい気分」と違って、叱られたときの「いやな気分」は次の同じ場面で「もうしない」という選択に長くは効果を発揮しないような印象を受けます。
理由はいくつかあります。
理由その1~いやな気分はすぐに忘れる~
ほめられたいい気分をずっと忘れない子どもたちなのに、なぜか叱られたいやな気分はなぜかすぐに忘れてしまうようです。
叱られて、泣いて、ごめんなさいをして、「もうわかったわね?」と優しくしてもらうと復活。
なかなか立ち直れないお子さんもいますが、たいていのお子さんは叱られたことをなかったことにしようとしているかのようです。
理由その2~ショックで叱られた理由を忘れてしまう~
叱られてショックを受け、泣いてしまったりすると、お子さんはプチパニックの状態です。
あぁ私が〇〇をしたからママはこんなに怒ったんだ。次からはこんなこと絶対しちゃいけないんだ、
と、冷静に反省はできそうにもありません。
理由その3~叱られることに慣れてしまうことがある~
ほめられることは何度経験しても変わらずいい気分になるのですが、叱られることはある日突然慣れてしまうことがあります。そうなっては「行動をストップ」「もうしない」効果も当然なくなってしまいます。
理由その4~「〇〇しないと〇〇しない」というわかりにくさ~
子どもにとって、何かをしないと叱られない、いやな気分にならない、という否定の文は「じゃあ何をすればいいの?」と、状況も、とるべき行動も、結果も想像しにくいものです。
例えば、
「食べたいものが決まっていないときには、ブザーを押さないでください」
と指示されるよりは
「食べたいものが決まったら、ブザーを押してください」
と指示された方が、自分のとるべき行動がわかりやすいですよね。
最初の指示だけだと、もしかしたら
「ブザー押したらどうなるんだろう」
と、食べたいものが決まっていないのにブザーを押してしまうこともありえます。
「右側から追い越されないように、左側を歩かないでください」
と言われたらどうでしょう。
「後ろの人が左側を歩いてくるので、あなたは右側を歩いてください」
と言われた方が、わかりやすいのではないでしょうか。
子どもが変わるほめ方やってみて!
どんな風にほめるの?
これまでお伝えしてきたように、
「ほめる」ことはことばだけとはかぎりません。
メッセージが伝わればよいのです。
「すごい」
「じょうず」
「がんばったね」
「えらいね」
などの、ほめことばのほか
「やってるね」
「食べたね」
「描いたね」
「ごあいさつできたね」
「高く積んだね」
「たくさんもってきたね」
などの、お子さんの行動をそのままことばにしてあげること
「お片付けしてくれたの?」
「もってきてくれたの?」
「ママのために?」
など、お子さんが「うん!」と答えられるような呼びかけ
「ありがとう」
「お母さんうれしい」
「おばあちゃんよろこぶね」
など人の気持ちを伝えること
「パパ聞いて!」
妹や弟に「お兄ちゃんがんばったね」
などできたことを家族に報告
ことば以外では
・がんばったときややりとげたときに、目を合わせて笑いかける
・いつも以上にできたとき、びっくりした表情をみせる
・抱っこやなでなで、ハグする
・目が合ったらうなずく
ほめること、ほめたい気持ちを伝える方法はたくさんあります。
ほめるところがないと感じるとき
「今日はいつもより早いね」
「言われなくても自分でできたね」
「ここまでできたの?」
「今日の声の大きさはちょうどいいね」
など、かんぺきでなくても普段よりできたことがあれば見逃さずほめてあげましょう。
叱られることの多い子ほど、ほめられたい!と強く感じていると思います。
ほめるタイミングは?
ほめるタイミングは3回!
1,お子さんが「しよう」としたとき
2,お子さんが「している」とき
3,お子さんが「やりとげた」とき
です。
例えばお片付けするよう声掛けたとき、
お子さんの様子をよくみてください。
全然お片付けを始めようとしないように見えても、一瞬おもちゃ箱を見たり、どうしようかな、という表情をみせる瞬間があります。
その瞬間を見逃さず
「えらいね、お片付けできるね」
「そうだね、お母さんも手伝うから一緒にやろう」
と、その気になったことをまずほめます。
すると、後押しされるように行動開始できることがありますので
「じょうず」
「がんばってるね」
と、行動していることをほめます。
最後に、やりとげたあと
「がんばったね!」
「きれいになった」
と、やりとげたことをほめてあげてください。
この、3段階のほめ方はとても効果があります。
気持ちをほめ、行動をほめ、結果をほめることで必ず次につながっていきます。
おわりに
かんたんそうで、実はむずかしい
「ほめて育てる」ということ。
でも、ほめることはお子さんの記憶に残り少しづつお子さんを成長させてくれると思います。
まずは、お子さんのようすをよく見ることからはじめてください。
よく見ていると、どこでどんなふうにほめるのがよいのか、わかってくると思います。
よく見てわかってきたころには、お子さんがママがわかってくれているということに気づいて
ほめなくても変わっていくかもしれません。
がんばるお母さんたち、とても素敵です!
応援しています。
子育てがんばりましょう。