子どもだって疲れちゃう。知ってる?子どもの疲れの見分け方。

疲れた子ども

KIKO

児童発達支援管理責任者 KIKOです
みなさん疲れはありませんか?

子育ても、子どもに関わるお仕事もほんとうにハード。
疲れを感じている方も多いことでしょう。
疲れがたまってきたらどうしますか?
ちょっと休む? それともおいしいものを食べて元気回復? 早めに寝る、誰かにお手伝いをお願いするなど早めに対策をとるのがよいですよね。

ところで、子どもは疲れを知らないといいます。いつもパワー全開の子どもたち、子どもに振り回されて疲れ切ってしまう大人も多いのですが、子どもはほんとうに疲れないのでしょうか。
いえいえ、子どもだって疲れます!
でも、自分が疲れたことに気づいていなかったり、逆に「疲れた~」が口ぐせになってしまっている子もいてほんとうのところどうなのか見ていて気づきにくいかもしれません。

今回は子どもの疲れとその様子、疲れの対策などについてお伝えしていきます。

こんなとき子どもは疲れています

実際に、子どもが疲れているときはどんな様子を見せるのでしょう。

元気がない

いつもは走り回って遊ぶのになんだかおとなしい
床やソファーに寝そべってゴロゴロしている
大人にくっついてくる
口数が少ない
など、いつもより元気がないなと感じたら疲れのサイン。わかりやすいサインです。体調が悪いときも同じような様子がみられます。発熱がないか確かめることも忘れずに。

機嫌がわるい

問題はこちらの若干わかりにくいサインです。
泣く
怒りっぽい
いじわるになる
ダメよといわれていることをする
など、ついつい叱ってしまうような状態なのですが、疲れて自分で自分をコントロールできずそのような状態になってしまっている場合があります。こちらも体調が悪いときにも同じような状態に陥るお子さんもいますので、叱る前に疲れていないか体調が悪くないか様子をよくみてあげることが大切です。

もう少し詳しく言いますと、例えばゲームに負けたとかちょっとつまずいて転んだとか普段はがまんできるような小さなことで泣いてしまったり、お友だちにおもちゃや自分の持ち物を貸してあげられなかったり、話しかけられても返事をしないなどー八つ当たりーの状態になってしまうお子さんがいます。
なかには、やぶれかぶれというか自暴自棄というかとんでもない機嫌の悪さをあらわすお子さんも。
そんな子たちはみんな「なんだか考えもまとまらないし、先生やママの話も頭に入ってこない。からだは重くていつもみたいに軽々動けないし心は悲しくもやもやしたきもちでいっぱい。泣きそうだし怒り出しそう!どうしたらいいかわかんない」という状態が「疲れている」という状態だと知らないのです。

MEMO
「疲れた」がわからない子には「疲れた」ということばを教えてあげてね

機嫌が悪いボク

うわ~~~~ん
だいじょうぶよ
ちょっと疲れちゃったのね

ママ

「あぁ疲れた」は本当?

外遊びが終わったとき、走って集まったとき、お片付けが終わったとき、製作が終わったとき、いつも「あぁ疲れた~」というお子さんがいます。
でも、表情をみると満足そう。もしかしたら本当は「楽しかった!」「上手にできた!」「満足した!」と思っているのかもしれません。
子どもは使える語彙が少ないのです。ことばをそのまま受け止めるのではなく本当の気持ちをくみ取ってあげましょう。
そして、子どもたちはまわりの人たちから新しいことばや言い表し方を学んでいることを忘れずに。「あぁ疲れた」は、もしかしたら身近な誰かの口ぐせかもしれませんよ。「疲れた」以外のことばをぜひぜひ伝えてあげてください。

疲れのサインに気づくのも、本当は疲れていないことに気づくのも、まずは様子を観察することからです。

わかりにくいなぁと思うかもしれませんが、赤ちゃんの時はおなかがすいても、眠たくても、甘えたくても、体調が悪くても、びっくりしても、暑くても、寒くても、痒くても、疲れていてもただただ泣くだけだったことを考えると、上手に伝えられなくてもいつもと違うアクションを起こしているだけで成長していると考えてあげてくださいね。

どんな時疲れるの?

よくあるこどもの疲れの原因を確認していきましょう。

オーバーワーク

大人が仕事や運動をしすぎてしまうと疲れてしまうように、子どもも遊びや運動などやりすぎてしまうと疲れてしまいます。栄養補給におやつが不可欠で睡眠時間も大人よりも多く必要な子どもは、大人と同じようなスケジュールで過ごしているだけで疲れてしまうことを忘れないでくださいね。

環境の変化

お引越し、保育園・幼稚園への入園、小学校への入学、弟妹の誕生などそれまでの生活もパターンに変化があったり慣れ親しんだ環境に変化があると、やっぱり子どもだって疲れます。
そして、この「変化に慣れていく力」は予想以上に個人差があることを知ってください。一度決まったこと、もう変わらないと信じ切っていることを変えられると大きなストレスを感じるお子さんがいます。
それは、例えば「いつもお母さんが座っている椅子にお父さんが座った」とか「いつも見ているテレビ番組が特番で違う番組に変更になっていた」また「今まではいていた靴が小さくなって新しい靴に変えた」というようなできごとでも大きな環境の変化がおきたように疲れ切ってしまうお子さんがいるのです。

環境の変化に強いお子さんもいますし、変化に弱いお子さんもいます。「こんなことが?」と思うようなことが疲れの原因になることがあると覚えておいてください。

疲れの原因は取り除いてあげることがよいと思いますが、環境の変化に関しては慣れていくことも必要なことです。「変わることもあるよ」「今日はこうだね」と根気よく伝え、一気に一日で慣れることはないと思って少しずつ慣らしていきましょう。

生活リズムの乱れ

不規則な睡眠時間や食生活、運動不足など生活リズムの乱れはからだの調子を狂わせて疲れや疲れやすさにつながります。子どもが自分で生活のリズムを整え管理していくことは難しいですので、まわりの大人が管理していくことになります。
「おなかすいた」「眠たい」などの子どもの訴えを待つのではなく、規則正しく食事をし十分な睡眠をとり元気にすごせるようサポートしていきたいですね。

感情の起伏の激しさ

笑ったり泣いたり怒ったり喜んだり、感情が揺れ動くときその振れ幅が大きいととても疲れやすくなります。
何かゲームをしていたり何かに挑戦しているとき、勝ちそう成功しそうと大喜びした直後に負けたり失敗して悔しがったり泣いてしまったり一喜一憂する姿は子どもらしく見ていて可愛らしく感じますが、感情を爆発させるタイプのお子さんは体を動かしたわけでもないのに短時間で力を使い果たしてへとへとになってしまうことがあります。
赤ちゃんに「いないいないばぁ」をしてあげるとよろこんでキャッキャッと笑い、あんまり喜ぶので何度も何度も繰り返しているうちに突然泣いてしまった、なんてことありませんか?
もう少し大きくなったお子さんは、運動会やお出かけの予定などが近づくとテンションが上がりすぎて自分をコントロールできなくなってしまったり、お楽しみ会に大人数で楽しく盛り上がっていたはずなのになぜかケンカがはじまったり誰かが泣いてしまって後味が悪い日になってしまった、などということはよくあります。

子どもは感情のコントロールが苦手です。
自分の感情が今どんな感じなのか気づきにくい子もいます。
かといって、まわりの大人が子どもの感情をコントロールをすることはできません。ですが、感情の振れ幅で疲れてしまうことがあることは知っておきましょう。

子どもの疲れ対策

子どもも疲れることがあること、疲れに様々な原因があることをわかっていただけたと思います。
疲れてしまった時にはゆっくり休ませ、おしいしいごはんを食べさせ、たっぷり眠ることです。大人の対策と一緒です。
そして、もう一つの対策はお子さんの疲れの原因と疲れのサインを知って、すっかり疲れてしまう前に原因を取り除いたり抑えたりしていくことができるよう工夫することです。
お子さんによって体力も得意不得意も違っています。同じようにすごしていても疲れてしまうお子さんと疲れ知らずのお子さんもいます。みんな同じと思わずによくお子さんの様子を観察して原因やサインを見極めてくださいね。
早めの対策、回復も早いですよ!

おわりに

最近の子どもは疲れやすい、という話をきくことが多いです。
「最近の子ども」にも原因はあるのかもしれませんが、刺激の多い環境や家族の忙しさ、生活リズムの変化が原因で疲れやすくなっていることもあるかもしれません。
ちょっとした気づきや工夫で子どもも家族も楽になることがあります。まずは知ることから始めましょう。

みなさんの元気と穏やかな生活を願っています。